県民の皆様におかれましては、心新たに輝かしい新春をお迎えのことと、謹んでお慶び申し上げます。
「障がいを知り、ともに生きる」。鳥取県から世に問うた「あいサポート運動」が他県へと広がりを見せる中、昨年10月に、全国で初めて手話を言語と認め、普及促進を図る「鳥取県手話言語条例」を制定し、国内外の注目を集めています。今年7月から11月にはいよいよ本県で全国障がい者芸術・文化祭が開催されます。この一年は、障がい者と健常者が共に生きる社会づくりを本格的に実現する年といたしたいと存じます。
また、年末に成田や茨城・神戸を結ぶスカイマークが就航したほか、全日空も米子鬼太郎空港−羽田の増便に加え、3月末から鳥取空港も増便し、更にスカイマークが羽田や那覇、千歳へ今春就航するなど、鳥取の空は大きく開かれることとなります。道路についても年末の山陰道2区間開通に加え、春には山陰近畿自動車道駟馳山バイパスが完成するなど、道路網も広がります。境港整備にも大きく舵を切ります。本県の雄大な自然や温泉・食の魅力をはじめ、鳥取県ならではのおもてなしで観光客をお迎えする大交流時代が見え始めました。時代を画するハード・ソフトのインフラの発展を期してまいります。
有効求人倍率が本県でも久方ぶりに0.9を超えるなど、経済回復の兆しも見え始めていますが、まだ県内経済は厳しい状況にあり、消費税増税の影響など不透明感があります。減反政策の転換など、農林水産業を取り巻く環境も変わります。今年はスクラムを組んで、産業振興や経営力強化、輸出促進を進めるとともに、岡山県との共同アンテナショップ開設など、「食のみやこ鳥取県」を推進します。
グリーンウェイブを起こす環境先進県に向けて、森林保全活動や都市緑化を推進することはもちろん、42.9MWのメガソーラー発電所や木質バイオマス、小水力等の発電等も進め、「緩やかなエネルギー革命」に貢献します。山陰海岸ジオパークの認定更新や三徳山の国立公園指定など、鳥取の自然を国内外に訴えていきます。
少子高齢化が進む中、地域を支える「人財」の育成も急務です。子育て環境日本一に向けて、「子育て王国とっとり条例」をとりまとめ、土曜日授業のモデル的導入や病弱児養護学校高等部の県西部新設など、子育てしやすい地域づくりや学力・競技力の向上を市町村と連携して、積極的に進めていきます。
そのほか、県東部の医療体制向上のため県立中央病院の改築に着手し、また、原子力安全対策や集中豪雨対策を前倒しで進めるとともに、防災情報の統合システム「防災コモンズ」を供用するなど、地域の課題に果敢に挑戦してまいります。
本年が、鳥取県の未来をひらく活気ある年になることを祈念するとともに、県民の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。