平井通信

寄稿分
「沖縄復帰50周年記念式典」祝辞
全国知事会長 平井伸治

はいさい。ぐすーよー、ちゅーうがなびら。

 本日、天皇皇后両陛下の御臨席を仰ぎ、「沖縄復帰50 周年記念式典」が盛会裏に挙行されますことに、心より お祝い申し上げます。今日まで沖縄県を繁栄へと導いてこられました岸田文雄内閣総理大臣、玉城デニー知事は じめ沖縄県民の皆様、関係者の皆様に対し、深く感謝申し上げます。

 先の大戦により沖縄で失われた尊い御霊に、改めて衷心より哀悼の意を表します。その後アメリカ統治となり ましたが、沖縄における熱心な復帰運動と日米交渉の末、昭和47 年5 月15 日、念願叶い本土復帰実現に至りま した。
 以来、沖縄は飛躍的な発展を遂げました。那覇・石垣等の空港やゆいレールの整備、沖縄自動車道、伊良部大 橋をはじめとした道路整備が進み、「沖縄国際海洋博覧会」・「第26 回主要国首脳会議」の開催をはじめ、沖縄は 「美ら島」として世界にその名を馳せました。5次にわたる「振興計画」などを羅針盤として、施策を強力に展 開し、観光産業・情報通信産業等が急成長し、県内総生産は復帰後約10倍に拡大しました。
 こうした輝かしい成果を基に、「希望と活力にあふれる豊かな島」の実現に向けて、全国知事会も全力を挙げて まいります。新型コロナとの闘いでは、奮闘する玉城知事に応えようと、各地から沖縄へ看護師を派遣するなど、 「共に闘う知事会」として連帯を重ねてまいりました。

 私の尊敬する島田叡知事は、昭和20 年1月沖縄県知事に就任し、犠牲を避けるため戦闘終息を主張するも叶 わず、6 月摩文仁で消息を絶つまで、県民の命を守る避難誘導、食糧確保の先頭に立ち続けました。ウクライナ で厳しい戦禍が続く今日、島田知事の志を継ぎ、平和な世界を築くとともに、沖縄の発展を果たさねばなりませ ん。

 「てぃんさぐぬ花や 爪先に染みてぃ 親ぬゆしぐとぅや 肝に染みり」 ここ沖縄で、本土復帰後、半世紀にわたり、親から子へ、孫へと受け継がれた願い。てぃんさぐは爪に染めて 魔除けとなります。困難を打ち払い、希望あふれる未来へ。

 「ちむどんどんするうちなぁ」を目指し、沖縄県とともに全国知事会は邁進してまいりますことを、ここにお 誓い申し上げます。

 結びに、天皇皇后両陛下のいやさかと、沖縄の限りない御発展、お集まりの皆様の御多幸をお祈り申し上げま す。

かりゆし、やいびーん。いっぺー、にふぇーでーびたん。

令和4年5月15日

PDFデータの表示や印刷には、AdobeReaderが必要です。AdobeReader