記者会見概要

「ポストコロナ時代」を切り拓く飛躍の年に

 県民の皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのことと、心よりお祝い申し上げます。 

 昨年も新型コロナウイルス感染症は勢いを増し、第7波・第8波とこれまでと比較にならない感染拡大に至りました。そのような中、本県は全国に先駆けて、重症化リスクのある方に重点を置いて命を守る体制を構築するとともに、「陽性者コンタクトセンター」を新設し軽症・無症状の患者にも迅速に支援を行う「BA.5対応型安心確立進化系システム」へと移行し、医療機関の負担が大きく軽減され、誰一人取り残さない県民の命と健康を守る体制強化へ進みました。経済・社会を動かしつつ、全国で最も感染を抑制し命を守る成果を上げることができ、ご協力いただいた県民、医療関係者、事業者の皆様に深く感謝申し上げます。
 また、ロシアのウクライナ侵攻等に端を発した世界的な燃料高・物価高や円安などが吹き荒れる中、本県の経済・産業や暮らしを守るため、昨年12月県議会で補正予算を可決し、経済・雇用・生活対策を切れ目なく講じました。全国知事会長としても、国に地方の声を届け、コロナ対策、経済対策など地方の実情にあった施策の実現のためにまい進してまいりました。

 本年こそは、コロナ禍を乗り越え経済・社会活動を本格的に軌道に乗せ、「ポストコロナ時代」を切り拓いていく飛躍の年にしなければなりません。
 コロナ禍で、テレワークやオンライン会議などが普及し、人々の価値観も変化し、首都圏の若者を中心に鳥取県への関心も高まりつつあります。本県はこの流れを県の活力につなげ、令和3年度の本県への移住者数は過去最高の2,368人を記録しました。本年もこうした施策を加速させ、県内での副業・兼業を進める「鳥取県で週1副社長」を推進するとともに、スマホアプリ「とりふる」も活用し若者のIJUターンを促進します。旅行支援の後押しで観光客も戻し、本年春の岩美道路の開通や秋の「青谷かみじち史跡公園」オープンなどの展開を図り、活力を取り戻す一年にしていきます。さらには、国際定期便の再開や2025年の関西万博の開催も見据え、アウトドアツーリズム推進などによるインバウンドの再興に力を注いでまいります。
 県内産業がコロナを乗り越え再興を力強く果たしていくため、デジタル化に伴う生産性向上や人材育成、エコカー部品等脱炭素への技術革新に挑むとともに、農林水産業についても、県産品のブランド化を図り、担い手確保、生産基盤強化やスマート化、販路開拓、輸出促進など活性化を図ってまいります。
 併せて、新型コロナの感染拡大に即応し、検査体制強化、病床確保や在宅療養支援、高齢者施設等のクラスター対策に万全を期すとともに、ワクチン接種を促進し、パンデミック終息に向け県民の命と健康を守り切ります。
 また、「とっとりSDGs宣言」のもと、誰もが安心して心豊かに暮らせる、持続可能な地域づくりを展開します。全国に先駆けて制定した「鳥取県孤独・孤立を防ぐ温もりのある支え愛社会づくり推進条例」を基に、老老介護、ヤングケアラー、ひきこもり等の孤独・孤立対策を強化するとともに、男女ともに働きやすい環境整備を推進し、全国初の手話言語条例10周年を契機として「障がいを知り、共に生きる」共生社会の確立を図ります。更に、2030年度の「温室効果ガス60%削減」に向け、バイオマス発電や森林吸収源対策などに取り組み、令和6年に迫った全国健康福祉祭(ねんりんピック)を控え、世代を超えたスポーツ振興や健康づくりを展開してまいります。
 人口最少の本県においては、地域の未来を担う人づくりも大切です。産後ケアの充実など切れ目のない子育て支援や、ICTを活用した学力向上対策、倉吉東高校の国際バカロレア教育開校、小中学校での英語力強化、社会人に対するリスキリングをはじめ、一人一人の成長と活躍を応援します。

 結びに、県民の皆様の限りないご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。