鳥取県知事 平井伸治
県民の皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えのことと、お慶び申し上げます。
昨年10月19日から22日まで開かれた「ねんりんピック鳥取大会」に県民の皆様のご協力を賜り、県人口を上回る54万人もの選手・役員等を迎え、各種の交流の花が咲き本県の魅力に触れていただくことがかないましたことに対しまして、心より厚く御礼申し上げます。また、昨年は能登が地震や水害に襲われ、被災された皆様にお見舞い申し上げます。日本海側も災害とは無縁ではなく、今春お披露目の道の駅ほうじょうと連携して県全体の支援機関集結拠点を開設するほか、避難所環境整備や防災DX等の防災対策を精力的に展開してまいります。
切迫する国際情勢、物価高騰、少子高齢化、人口減少などの課題に立ち向かうべく、11月30日には石破茂総理はじめ各界の方々ご臨席の下「日本創生に向けた人口戦略フォーラムinとっとり」を開催し、未来の日本とふるさとをひらく国民的議論が、ここ鳥取の地からスタートしました。若者や女性にも選ばれるふるさとを目指し、今年は、日本創生への歩みを鳥取県から始動する「創成元年」として、県民の皆様とチャレンジの火ぶたを切ります。
子育て対策では、専門医など現場から必要性の声があがるプレコンセプションケアを推進するとともに、団体・地域と連携した婚活イベントなど、出会いから結婚、妊娠、出産、子育てまで、若い皆さんの希望がかなう「シン・子育て王国」を加速させ、短時間正規職員など新しい働き方についても先導的に検討を開始します。
また、移住定住や関係人口創出を目指し、アプリでの情報発信、ワーケーション、週1副社長などの施策を推し進めるほか、大阪・関西万博会場で、鳥取県の魅力を伝える展示や県民文化を発揚する公演を実施するとともに、県内全体をパビリオンに見立てて誘客につなげる「とっとリアル・パビリオン」を展開し、ソウル便や香港便、今春新規就航する台北便も含め、国内外からの誘客を図ってまいります。
更に、安心して住み続けられるふるさとに向け、中山間地における医療・介護サービス、地域交通、買物環境の確保を図るとともに、賃金水準向上の環境づくりや起業・事業承継など活力ある産業振興を積極的に推し進め、農林水産業のスマート化や担い手確保など活力向上を図るほか、「とっとり健康省エネ住宅」の普及はじめ環境立県を推し進めてまいります。
県民一人ひとりが地域の未来を創ります。ふるさとキャリア教育を推進し、小中高校生の地元定着を促進するとともに、ねんりんピック鳥取大会のレガシーとして、高齢者の健康増進や活躍の場づくりを進め、鳥取県版ねんりんピックを開催します。併せて、闇バイトや偽・誤情報対策、ひきこもり・ヤングケアラー支援など、暮らしの安心を守ってまいります。
いよいよ3月30日に、待望の県立美術館が、全国の注目を集めたアンディ・ウォーホル作「ブリロの箱」をはじめ国内外の優れた美術品による企画展からオープンし、県ゆかりの作家の作品コレクションやアートを学ぶ「アート・ラーニング・ラボ」など、年間を通じ多彩なプログラムを展開します。平成18年に凍結されて以来閉ざされていた境港・米子・日吉津を結ぶ高速道路構想の事業化に向けて踏み出すほか、倉吉西ICから倉吉南ICまで北条湯原道路が今春開通するなど、地方創生の礎をなす地域の社会基盤整備を強力に進めてまいります。
結びに、県民の皆様の限りないご健勝とご多幸、そして鳥取県が益々輝く年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。