記者会見概要
平成30年12月27日

 このたび私、平井伸治は来る4月7日に行われます統一地方選挙におきまして、再び鳥取県知事選挙に臨むことと決意をさせていただきました。いろいろと考えたこともあったわけでありますが、結論としてそういうふうにこれからチャレンジをすることを皆さまにご報告を申し上げたいと思います。
 まずもって、これまで11年余りにわたりまして、お支えをいただき、応援をしていただき、ともにこの鳥取県を導いてくださいました多くの方々に、心から御礼を申し上げたいと思います。

 おかげさまで3期12年ももうすぐ幕を閉じようとしているところでございます。この間色々と見えてきたこともあったと考えており、その中には鳥取県が注目されるようなことも出てきました。例えば、手話言語条例を制定しました。これまで全国で200の自治体が同じような条例を作るに至りました。鳥取から始まったムーブメントが、鳥取の価値観が、全国に広がったわけであります。また数多くの災害を最近も経験しております。そういう中で、災害ケースマネジメントはじめとして、被災者に寄り添い地元の実情に密着をする現場主義の鳥取県の方式が、注目をされるようになってきました。
 長い間懸案でありました鳥取の活力を作っていくという観点では、ハイウェイをつなげていく成果も感じられるようになってきました。海外からのお客様も増えてきました。このように活力も増える中で農業の生産額も765億円を数えるところまで回復をする。新しい産業の芽が鳥取県内にも生まれてきて、県外の航空機産業や自動車部品産業なども立地をしたり、医薬品工業ができあがったり、また地域の中からは医療にも使えるドリルの工場が着工するなど、鳥取県として育ててきた中小企業の技術が新しいチャレンジにも向かい始めています。
 私はこれまで「活力」、そして「安心」をここ鳥取県の中で作っていくことが必要だと考え、言わば活力軸と安心軸と2つのベクトルを伸ばしていく、非常に厳しい課題ではありますけども、これに全身全霊をかけてチャレンジをしてまいりました。その間、財政の再建も図りまして、毎年100億円貯金を取り崩していた状況を解消し、貯金は従来の水準から減らすことなく、また借金につきましては大幅に減少させ、黒字のプライマリーバランスを保ち続けるというところまできました。

 そういう意味で、これから次に引き継いでいってもいいように、自分自身も感じておりました。しかしながら、多くの方々からもう一度立つべしというお言葉をいただきました。正直想定外に強いお声をいただき、その波を感じるたびに、もう一度力を振り絞って鳥取県にこの一身を捧げるべきではないだろうか、こういうように考えるようになりました。特にこの心境の変化で印象的なモーメントがございましたのは、障がい者の方のために私も「あいサポート運動」や色々な活動をしてまいりましたけれども、聴覚障がい者の皆さまが私のところにお越しになりまして、今月初めもう一度頑張ってもらいたいと強いお言葉を手話でいただきました。その時に、まだこれから手話言語を広めていくたか、こうした障がい者の社会環境づくりに平井のリーダーシップで取り組んでもらうことが必要だと、全国団体のメッセージも伝えられたわけであります。私自身、不覚にも涙を流してしまうぐらい感激をいたしまして、やはりここは自分の腹を固めなければならないかなあ、というふうに思い始めました。
 市町村長さん、またJAや経済界、さまざまなお立場の方からも、共にやっていこうというお話をいただきました。いずれもこれまで県政を11年余りともに担ってきたパートナーの皆さんでございまして、同志の皆さんのお言葉を私自身が大切にしなければならない、と考えたところでございます。そういうような様々な心境の変化も、ここ数ヶ月くらい経験しておりましたところでございます。
 結論を申し上げれば、もう一度この鳥取県のために、県民のために、「県民の道具」として、自分は邁進しなければならない、こういうように決意をいたしたところであります。

 今、時代が変わろうとしています。もうすぐ平成が終わろうとしています。4月に統一地方選挙がありますが、その翌月には平成から次の御代へと移り変わります。「新しい時代」がやってくるわけであります。
 今まで山陰は、鳥取県は、とにかく都会を追いかけることで終始をしていたような感じがいたしております。それはやむを得ない面があります。今でもそういうハンディキャップを背負っていると思います。
 しかしこの10年以上にわたりまして、県政を変えようと私自身も努力をし、それに応えてくれる県民の皆さまや全国の皆さまがいらっしゃった。だから子育て王国を標榜して、1.43だった合計特殊出生率が1.66まで上がってくることができたり、あるいは有効求人倍率をはじめとした雇用の受け皿づくりなどが進んだり、農業の生産もV字回復をしてきたり、全国からも注目されるような鳥取県の社会福祉政策、そうした取組も報道されるようになってきました。先般は「Gaijin Pot」というメディアによりまして、鳥取県が海外の人の目で見て、日本のデスティネーション、旅の目的地としてナンバー1だというふうに取り上げられるに至りました。
 私は、自信を持っていいと思っています。やるだけのことをやってくれば、我々は変わることができる。それだけではなく、私たちが日本をリードすることができる。新しい時代を開くのは大都会ではなくて、新しい時代、平成の次の時代を開くのは「鳥取県」です。そういう気概で臨まなければ、私は4期目に挑戦する意味がないと考えました。